建設業許可申請(新規・更新・変更)

1.概要

(1)背景や概要

建設工事(軽微なものを除く)を請け負うためには、「建設業許可」を取得する必要があります。
工事規模や金額は勿論のこと下請構造などによる影響が大きいため、工事に携わる会社には確かな経営や技術面、財産面での能力、また健全性が求められる為です。

また許可を取得した後は毎年の事業年度終了後に「決算変更届出」。5年毎に「許可更新」。許可に係る変更については「変更届出」が必要になります。

許可には以下の区分があります。
-知事か大臣か
・知事:1つの都道府県のみに営業所(契約締結の拠点)を置く
・大臣:複数の都道府県に   〃
※新規許可の申請手数料は大臣の方が高額。事業拡大や、営業所所在の都道府県における公共工事入札での優遇を受ける可能性が高くなる。

-一般か特定か
・一般:500万円(建築一式の場合1,500千万円)以上の請負工事が可能 ※特定建設業の元請条件を除く
・特定:元請として、下請に合計4,500千万円(建築一式の場合7,000千万円)以上の工事を発注可能
※上記は税込金額。特定の方が許可要件が厳しい。
また許可を受けた営業所については、許可業種以外の軽微工事は請け負えないのでご注意。

(2)要件

不正確かもしれませんが、簡単のため「経営業務の管理経験:営業取引上で対外的に責任を持つ地位にあり、建設業の経営業務について総合的な管理や執行の経験」→「経営経験」とします。

①人材 :経営経験のある役員(経営業務の管理責任者など)、技術者(専任技術者)の配置
※以下簡単のため、経営業務の管理責任者=経管、専任技術者=専技と略します。
②場所 :営業所としての建物、看板、営業スペースや事務機器
③財産面:純資産500万円以上またはその調達能力
④事業者の状況:社会・労働保険の加入
欠格要件の非該当や誠実性

まず⑤と①が満たせるかが重要。

(3)メリットとデメリット

①メリット

・高い金額の請負工事が受注できる
・金融機関や発注者からの信用度が上がり得る
・公共工事における入札参加資格要件の一つが満たせる

②デメリット(?)

・許可申請の手間や手数料がかかる
・毎年の決算変更届出や、5年毎の許可更新、そのほか変更に都度での変更届出が必要
・処分(許可取消、営業停止、指示処分)に値する違反をした場合、公表される
各都道府県HPのほか国交省のネガティブ情報等検索サイトに載ってしまう。

2.手順や必要書類

(1)手順

①要件確認

-経管

営業所に常勤で配置。経験に係る証明期間についても常勤である必要あり。

ア.常勤役員1人で以下のいずれかに該当
(1)建設工事を営む会社での役員や個人事業での事業主経験5年以上
(2)上に準じる地位(執行権限付与)としての経営業務の管理経験5年以上
(3) 〃 として経営業務の補助経験6年以上

イ.常勤役員+直接補佐者での体制 ※高難度パターン
・『「建設業での[経営経験2年+準じる地位経験5年]または「[建設業での経営経験2年]+[建設業以外での経営経験5年]」』+『直接補佐者として建設業者や建設業での[財務+労務+運営]経験』
※補佐者については一人で財務・労務・運営補佐を兼ねることが可能。

-専技:許可業種での「資格のみ」or「資格+実務経験年数」or「学歴+実務経験年数(高卒5年、大卒3年)」or「実務経験年数のみ(10年)」

※経管同様、営業所に常勤で配置。

-欠格要件非該当と誠実性要件に当てはまっておらず誠実性があればOK

-財産面:直近の純資産(※)が500万円以上、または残高証明書準備(発行後1か月以内、見せ金もOK)
※会社設立時や個人事業開始時ならば資本金や元入金。

あとはキチンとした営業所があって、社会・労働保険加入していれば、ほぼOK。

②必要書類の準備

・下記書類を集めるだけ
・電子申請(JCIP)の場合はスキャンしてデータ化

③申請

・電子申請(JCIP)が圧倒的に早いし労力小
※正副本の印刷や郵送手配も不要。役所側的にも紙面からの入力が省けて助かるはず。
・JCIPを使わない場合、原則的には郵送
※窓口申請が不可と言う訳では無い。

④許可が通ったあと

・許可通知書の受け取り
・許可証や看板作成

⑤様々な手続き

・決算変更届出(毎年)
「過去3年の施工金額」「工事経歴書」「決算書」などを作成。
新規申請での直近事業年度の工事や決算書部分のみ抽出した感じ。
・更新(5年ごと)
新規申請の縮小版。
変更が無ければ使い回し可能な情報が多いし、省略可な添付書類もある。
・変更届出(必要な変更の都度)
・業種追加や許可換え、般・特新規
「業種追加」:一般(又は特定)許可業者が、他の業種で一般(又は特定)建設業許可取得
一般と特定両方の許可業者が、一般または特定の許可取得
「許可換え」:大臣⇔知事の変更。新規申請に同じ
「般・特新規」:一般のみ(又は特定のみ)の許可業者が、新たに特定(又は一般)の許可申請
または一部の業種を廃業して、特定(又は一般)で許可取り直し

(2)必要書類

福島県ではチェックリスト提出書類の内容確認一覧が便利。

書類備考ご参考
書類備考ご参考

(3)提出や問い合わせ先

建設業許可・経営事項審査申請受付窓口一覧
・(いわき市の場合):いわき建設事務所 行政課
〒970-8026 いわき市平字梅本15
TEL:0246-24-6109 
※急ぎで無ければ、建設事務所宛だが問い合わせフォームも使用可能。

3.注意点

以下、許可申請にあたっての注意点を載せていきます。
ただし建設事務所によって扱いが異なるものもあるので、必ず提出先へ事前確認なさって下さい。

注意箇所備考
人工出し・建設業における人工出しは職業安定法、労働者派遣法等で違法行為にあたる
・経管の証明期間における工事経歴には使えない
・ただし専技の実務経験の証明期間には使えるらしい
※これはどういうことだろう?
人工出しには請負契約書は無いから、それを使わない証明パターン(福島県では他社の許可業者の決算変更届出)に限定されるはずだが、それだと許可業者で人工出しをしていたことになるので、明らかにアウトな気がする。

KiND行政書士法人/人工出しは建設業許可を取得できない?建設工事として認められる?
定款目的に許可を取りたい業種を含む記載が無い・会社法上では違反(罰則なし)だが、福島県では許可申請時に定款目的から抜けていても許可申請は可能
ただし後日、定款変更や変更登記するよう求められている
・都道府県によって扱いは異なるので要確認
原則的な添付書類・原則、手引き記載の添付書類が全て
・手引き記載の書類が揃えられない場合に初めて相談が望ましい
常勤役員と直接補佐者による経管・過去の説明によると、相当に難しいケースらしい
※そもそも、その状況で許可を取ろうというのが個人的には微妙な気がする。
認可・事業承継や法人成りの際に、契約書等の証明書類作成や承継元・先での事業終了と開始について疑義が生じないように進めることが出来れば、認可申請を用いることが出来、新規申請手数料は掛からず許可番号も引き継げる
・ただし条件が厳しく事前審査や本審査に時間を要するので、認可申請を主に周囲の予定を組むのが推奨される
※会社設立、設立届、社会保険加入などに予定を左右されてしまうと難しい。
税金滞納でも一応許可は取れるらしい・財務状況的に微妙な気もあるが、止むを得ない事由があるかもしれないし許可申請においては単なる確認に過ぎない模様
建設業・不動産の許認可取得センター/税金滞納でも建設業許可は取得や更新はできる?
白色申告の事業者・白色申告の事業者でも、キチンと青色に相当する決算書を作成すれば建設業許可取得は可能
 
※過去に、白色申告で資産や負債に係る情報が無い状態での決算変更届出を依頼されたことがある。
一体、どうやって今まで決算変更届出の決算書を作ってきたのか、いやそもそも建設業許可をどうやって取ったのか、未だに疑問ではある。一応、開業や設立時ならば可能ではあるか?
営業所と登記簿の本店所在が異なる・事実上の所在として、契約締結を行う実質的な営業所の所在を併記する
急いで本店移転などの変更登記をする必要は無い。
・JCIPでは申請者欄は登記簿上の所在に固定されるので、申請書の方に事実上の所在を書く
経管の証明について、他社の許可業者から期間分の許可通知書や決算変更届出が得られない場合(未確定だが)県の方に許可証明願を出せば、過去の許可期間分の証明をしてもらえるらしい
→少なくとも福島県は不可。止むを得ない場合は個別に相談して検討してもらう。

福島県/建設産業室/既に建設業の許可を受けている方へ
※「その他」-「建設業許可証明書の交付」の箇所をご参照。
様式を見る限り、現在得ている許可証明で過去分は含まれないように取れるが。
もし過去分が全て出せるならば原則通りの添付書類は一体何なのだろう?
これが可能ならば、他社にわざわざ許可通知書や決算変更届出を探してもらうより最初から証明願で済ませた方が、圧倒的に労力小になってしまう。
経管における過去の経験の常勤性・経歴に常勤か否かを記載するが、福島県ではその常勤性自体の証明までは求められていない
※手引き通りの個人での確定申告書や、別法人の許可通知書等+商業登記簿のみで可能。
もし虚偽があれば大変なことだし、疑義があれば追加書類を求められるとは思う。
処分パターン・許可申請における虚偽:誓約書偽りや証書での賞罰隠し
・許可取得後も人工出しをしている
・専技が営業所近隣以外で現場に出たり、有り得ないほど同時期に複数の現場に出ている
※違反例は余りないが経管も同様に不可。
・会社や役員が罰金刑や懲役刑を受けた
・架空の営業所で所在確認不可
・経管や専技不在になっても変更届出せずに営業継続
・許可取得前に軽微でない工事を受注
・配置技術者に相応しくない者を置いた
・行政からの指示処分に従わなかった
・経審を受けずに公共工事受注
・決算変更届出を期日までに出さず複数年分まとめて出した
・特定住宅瑕疵担保責任を履行する措置を怠った
建設業許可が不要な税込500万未満の請負工事について・一つの工事にも関わらず工期を分けて金額を縮小するのは不可
・附帯工事、材料費、運搬費込みの金額
・他の業者との共同受注により材料費を他に負担してもらって、自身の受注金額から材料費や運搬費を減らすのはアリらしい
建設業・不動産許認可取得センター/【建設業許可】請負金額に材料費は含む?含まない?
※事例1)ご参照。
登記されていないことの証明書取得にあたっての委任状は自署不要・委任者本人からの了承を得ている前提だが、委任者からの自署不要で受任者側でPC作成できる
・例えば、もし急ぎで取得する必要がある場合に、東京への郵送取得ではなく地方法務局近くの者へ委任してもらい、その後郵送してもらえば多少の日数削減になるはず
※もちろん慎重を期すならば、直接本人直筆の委任状をもらうことが望ましい。
【変更届】代取変更の際は、それに伴う役員等の変更情報も併記する例:代取が交替(旧代取Aが取締役、取締役Bが新代取になる場合)
・代表者:A → B
・役員:
取締役 B → 代表取締役 B
代表取締役 A → 取締役 A
※登記簿を添付するものの、代表者変更の記載のみだと変更届だけで取締役の変更全てが把握できない
みなし登録電気工事業の変更届も、同様の記載をした方が無難

アールエム行政書士事務所/【記載例付】建設業許可の変更届|役員等に変更(就任・退任等)が生じた場合
経管や専技候補者の住民票上の住所と居所が異なる場合の常勤性以下は福島県の一部の建設事務所における情報。提出先への事前確認は必要。
・通える距離で実際に通勤していて、健康保険の情報と符合していれば問題無し
・経管の証明書や略歴書に「住民票上の住所」「事実上の住所」を併記する
※比較的近くであれば居所の証明書類は不要らしい。
・(いわき市では)原発災害による避難の場合、届出避難場所証明書も求められる
他社役員を兼務で経管に据える場合の常勤性確認いわき市では
・自社の社会保険被保険者になっていることが確認できれば良し
法人新規で、申請までに定款変更している場合いわき市では
・代表印押印入りの現行定款コピーのみで良し
※提出先によっては、原子定款+定款変更時の株主総会議事録の場合もある。
経管も専技も兼ねない代取が他社の社会保険に加入している場合(非常勤)。・常勤性が求められるのは経管と専技のみなので、それらを兼務しない代取が非常勤であっても許可申請においては支障ない
建設業許可を受ける以前に、変更登記等の義務を懈怠している会社について・「本店移転」「代取住所変更」「取締役の退任・就任」等の会社法上での義務手続を懈怠していないか、建設業許可を依頼する前に確認しておくのが望ましい
・建設業の文言を含む「目的」については、許可取得後での変更を認めてくれる行政庁もあるが(福島県もOK)、会社法上でも事前に変更しておくのが原則
営業所が自宅兼等の場合福島県いわき市では厳しい行政庁もあるので、必ず提出先に確認下さい
・営業スぺ―スの区切りまでは求められていない
※居住空間との区分けが無い又は途中通過しても一応OK。
・固定電話も出来る限り設置を求められるが、難しければ携帯でも可
・利用スペースの間取り図なども不要。写真のみでOK
財産要件を残高証明書で満たす場合の、電子申請での事前審査
手引きでは事前審査で他の部分でOKになってから残高証明書を取得するように注意書きがある。
・残高証明書の添付無しで電子申請すれば、他の部分のチェック完了後に残高証明書の取得を求めてもらえる
後期高齢者(75歳以上)を経管または専技として、これから常勤で雇用する場合
※他社での経管としての経験、または専技の資格を持っており、自社での経験証明は不要のパターン。
・後期高齢者医療保険に移るので、会社の健康保険には入れない
・厚生年金受給者または、過去の加入期間が短く任意加入もしない場合は、厚生年金の被保険者にもならない
※受給者については、おそらく在職老齢年金の届出書で証明するのかもしれない。
・雇用期間が短いので、おそらく住民税特別徴収や確定申告書の人件費内訳にも入ってこない。源泉徴収票も使えない
・手引き通りの書類は準備できず、例外的に常勤で勤務していることの証明を認めてもらう形になるので、不確定だし大変になると予想される
※役所側は手引き以外の書類は指示しないので、自分で用意できるものを持参するしかない。
おそらく住所証明、出勤や賃金証明以外に色々と提出する必要が出てきそう。他の候補者にした方が容易だと思われる。

4.当事務所のサポート内容と料金

(1)サポート

・許可申請における書類作成や申請代理

(2)料金(税込)

・7万円~
※上の最低金額は、あくまで経管や専技の証明がシンプルなケースで、手引き通りの書類がスムーズに揃う場合になります。

5.ご参考HP

(1)福島県
初めて建設業の許可を受ける方へ
建設業許可申請の手引・様式等ダウンロード ※ここに様式などが全てまとまっています。
建設業許可業者名簿 (福島県内に主たる営業所のある業者)
建設業法に基づく違反業者に対する監督処分の状況 ※違反事例の把握。

(2)国交省
ネガティブ情報等検索サイト

6.更新履歴

・2024/02/13:ページ公開
・2024/03/08:「3」追記
・2024/06/11:「2」「3」追記
・2024/07/03:「3」追記
・2024/07/11: 〃
・2024/09/26: 〃
・2024/10/09: 〃
・2024/10/15: 〃
・2024/10/18: 〃
・2024/10/23: 〃
・2024/11/01: 〃

建設特定技能受入計画の新規申請

1.概要

(1)背景や概要

在留資格の一つである「特定技能」。
建設業において特定技能1号として外国人を雇用するためには、事前に国交省へ「建設特定技能受入計画の申請」をする必要があります

申請においては受入企業や外国人に係る添付書類を添付する必要があり、労働条件や賃金などの適正も審査されます。
おそらくシステムでの入力作業よりも、添付書類の準備・確認や補正に労力を要するはずです。

添付書類の内容確認を含めると、おそらく建設業許可申請の2~3倍は大変では無いでしょうか?

※特定技能1号:特定産業分野における相当程度の知識または経験が必要な技能を要する業務に従事する外国人向け在留資格。在留期間は通算5年で家族帯同は原則不可。
2号の場合は相当程度ではなく「熟練」が必要な業務となり、在留期間の更新上限無しで扶養配偶者や子の帯同も許される。

(2)要件

・受入企業
「建設業許可所持」「JAC加入」「建設キャリアアップシステムへの事業者登録」
「適正な労働条件・賃金、就労計画」「安全衛生や技能向上に係る方策あり」
「外国人への十分な説明能力あり」
「過去5年間以内に建設業法における監督処分無し(申請後も含む)」

・受入予定の外国人
「業務従事に足る技能や経験あり」
※特定技能への移行が認められる技能実習や建設就労の修了。

2.手順や必要書類

(1)手順

①添付書類の収集・整理

・代理申請の場合は委任状も作成
・コピーを書面で入手しなくとも、受入企業側でスキャンが可能ならばデータでのメール添付や共有ができる
※ただし原本の直接確認が入らない問題があるので、別途真実性の担保が必要になる。
しかし、そもそも実際の代理申請では登録確認機関を介した書類準備が多いはずなので、代理人が毎回出向いて原本を直接確認というのは難しいと思う。
・外国人就労管理システムのアカウントも作成しておく

②入力内容の整理・下書き

・エクセル等で入力項目に対する記載内容をまとめておくと〇
※申請時は、テキストエディタに貼り付けて確認した上でシステムに貼付け入力すると良い。
・添付書類のファイル名も企業名と連番で定型的に生成できるようにしておけば、統一されるので〇

③システムでの申請

※入力内容はあとでpdfダウンロードできるが、スクリーンショットも撮っておいた方が良いと思う。

(2)必要書類

no 書類名備考
登記事項証明書(履歴事項全部証明)・新規申請の場合は現在事項証明でも良い
・申請時点で発行後3ヵ月を超えないよう注意
2建設業許可証有効期限内のもの。
※補正が入った時点で有効期限を過ぎた場合は、更新後の許可証に差し替える必要あり。
3常勤職員数を明らかにする文書・社会保険加入の確認書類。
直近の厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書が無難。
・被保険者整理番号のみにマスキング
・氏名横に「実」「建」など区別できる一文字を入れる(手引)
4建設キャリアアップシステムの事業者IDを確認する書類・事業者IDが記載された「ハガキ」又は「メール」、若しくは「キャリアアップシステムログイン画面の写し
・パスワードにマスキング
5特定技能外国人受入事業実施法人に加入していることを証する書類・所属建設業者団体がJAC正会員の場合
当該建設業者団体が発行した会員証明書の写し
・JAC賛助会員の場合
JACが発行した会員証明書の写し
6(代理申請の場合)委任状日行連の委任状サンプルを活用するのが無難。
7ハローワークで求人した際の求人票適正な条件であること、書類「8」~「14」との整合が必要。
8就業規則及び賃金規程
※退職金規定がある場合は、それも提出
常時雇用人数が10人未満の場合は添付必須でないが、作成している場合はおそらく添付を求められるはず。
9時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)
変形労働時間に係る協定書・協定届・ 年間カレンダー
10建設キャリアアップシステムの技能者IDを確認する書類
※技能者カードの写し
申請時点で未取得であれば、理由書を添付。
※申請済みならば、証左として返信メールの添付を求められると思う。
11同等の技能を有する日本人と同等額以上の報酬であることの説明書指定様式を使用
12同等の技能を有する日本人の賃金台帳
※直近1年分、賞与含む
13同等の技能を有する日本人の実務経験年数を証明する書類様式は任意だが参考様式を使用するのが無難
14特定技能雇用契約書及び雇用条件書の写し
15雇用契約に係る重要事項事前説明書(告示様式第2)指定様式を使用
※外国人が十分に理解できる母国語併記版
インドネシア語カンボジア語タイ語タガログ語ネパール語ベトナム語ミャンマー語モンゴル語英語中国語
※書類「7」~「14」間の整合性や、システム上での入力内容との一致も念入りにチェックされる。

(3)申請や問い合わせ先

・申請:「外国人就労管理システム」上でのWEB申請になります。

・問い合わせ先:受入企業の所在地を管轄する地方整備局です。
建設分野についての問合わせ先」ご参照。
東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島):022-263-6131
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野):048-601-3151

3.注意点

注意箇所備考
期限切れや古い情報補正が入った時点で許可期限を迎えている場合は、期限内のものでの差し替えが必要。
・建設業許可証
・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書
・時間外労働や変形労働時間に係る協定届など
※登記事項証明書と賃金台帳、委任状については、申請時に直近であればおそらく大丈夫。
最低賃金改定時期補正時の最低賃金が申請時のものより上がり、報酬予定額(基本給+一部の諸手当)が[最低賃金×1.1]を下回る場合がある。
※10月前後での申請・補正には注意し、ある程度余裕を持たせた基本給や諸手当設定にする必要があると思う。
国交省側の基準見直しや様式改定変更に対応できるよう、頻繁に公式HPを覗いた方が良い。
[7]~[14]の内容と整合性・内容に不備があると、複数の添付書類に渡り補正が必要になってしまう
※整備局の担当者によっては、雇用条件書と重要事項事前説明書の補正を保留してくれる。
雇用契約書・条件書・契約書への署名はアルファベットで、日本語と母国語欄への二か所必要
※区別できる形での母国語併記も可能だが、アルファベット表記は必須。
・母国語併記の漏れ注意
※中国語の場合の漏れを大目に見てくれる場合があるが、基本的には漏れなく埋める必要あり。日付や金額、☑欄が漏れやすい。
重要事項事前説明書・母国語併記についての注意は「雇用契約書・条件書」に同じ
※最後の説明者と受入企業欄も抜けないよう注意。
・安全衛生教育
従事作業を踏まえて講習等の名称、受講時期、目的、内容等の具体的記載を求められる場合あり。
・技能の習得:到達目標や受験時期などの記載を求められる場合あり。
※担当者によって対応が異なる部分だが、最初から厳しい場合を想定した方が良いと思う。
委任状の差替え申請後に委任状に関する補正指示が入った場合、再作成する委任状の委任日は「初回作成時の年月日」で良い。
※申請時に実質的な委任があったことは確認できるだろうし直近でも良いとは思うが、申請以前に作成したものと差替えという意味で。
気付き次第、注意点を追加予定。

4.当事務所のサポート内容と料金

(1)サポート

建設特定技能受入計画の新規申請。
システムでの申請・補正が基本ですが、添付書類のチェックもある程度行います。

(2)料金

1申請あたり70,000円~。
※ただし添付書類の確認が多い場合や外国人が3人以上の場合など労力が大きい場合は、追加で料金を頂きます。

5.ご参考HP

国土交通省/建設産業・不動産業_外国人材の活用

申請の手引き、様式、システム操作方法【特定技能制度(建設分野)】

外国人就労管理システム

ネクステップ行政書士事務所/【徹底解説】建設業で特定技能人材を雇用するまでの流れについて
※非常に分かり易く整理されているので、ここを読めば全体像から詳細まで掴めるかと思います。

(一社)建設技能人材機構/外国人受入れマニュアル
※第1章のはじめ。加入が求められるJACのページです。

6.更新履歴

・2023/05/09:ページ公開
・2023/05/11:単語重複部分を修正
・2023/05/12:参考HP追加
・2023/05/25:「2-(2)必要書類」「3.注意点」修正

建設業許可や経審等の電子申請(JCIP)

1.概要

(1)背景や概要

従来の書面での提出に加えて、ネット上のシステムを用いての申請が可能になりました。

申請における添付書類もデータ添付ですので、PC操作に慣れた申請者や代理人にとっては利便性向上となるかと思います。
代理申請では紙面での委任状作成は不要となり、gBizID同士で結んだ委任関係を用いたシステム上での委任状の作成・承認となります。

(2)要件

申請者がgBizIDプライムを取得している必要があります。
代理申請では、代理人もgBizIDプライムを取得していなければなりません。

※gBizIDプライムから作成したgBizIDメンバーでも可能。
gBizIDについてはこちらの記事にまとめてあります。

マニュアルでは「1.1.2.gBizIDプライムアカウント」(p26~)「1.2.委任状作成」(p34~)をご参照。

(3)メリットとデメリット

-メリット
《電子申請ならではの利便性》
・書面での原本提出が要らないため、データの入力と添付のみで申請可能
・内容は途中で保存でき、[申請・届出一覧]メニューから再開できる
・代理申請は、gBizID同士の委任関係を用いてシステム上で作成・承認する形のため簡易
※建設業の代理ではgBizIDエントリーは使えず、gBizIDを持たない申請者からの「委任申請書」も使えない
・書面申請の場合と比較して、省略可能な書類が多い
・申請データはpdfとして一括ダウンロード可能
※許可が通った後に一括ダウンロード+結合したデータをお客さんに渡せば、それが副本となる。ファイル結合ツールも使える。
・入力データについては、次回以降への使いまわしも出来る
・申請手数料も証紙等では無く電子納付
・JCIPが対応している建設業アプリならば、出力データをJCIPへインポート可能
・(特定かつ法人のみ)e-Taxと連携すれば納税証明書の添付不要

-デメリット
不正ログインや虚偽申請
無権利者や無資格者による代行
※これは建設業に限らない。
ただし疑義があった場合の発覚は容易そうなので、利便性に対する危険性の比重はかなり低いかもしれない。
システム操作や入力における慣れや、エラー発生時の対応が必要(「3.注意点」ご参照)
※そのうち、トラブルケース情報など充実してくるとは思う。

2.手順や必要書類

(1)手順

基本的には書面で出す場合と変わりません。
必要な証明書や添付書類等を取得し、必要事項を入力のうえ添付書類データを添付し、申請するだけです。

書類は電子データで、手数料納付も原則的に電子納付になりますので、書面提出や現金が不要になります。
代理申請の場合は、代理人が納付します。

詳細は操作マニュアルをご覧下さい。

(2)必要書類

渇愛します。
操作マニュアル(p56~)の必要な書類一覧をご参照下さい。
※ただ◎が付いている書類にも、システム上では任意のものがあったりします。

(3)提出や問い合わせ先

-国土交通省不動産・建設経済局建設業課
・電話:03-5253-8111

3.注意点

種類気になった点備考
許可更新《連絡先》
代理申請の場合は、申請書の連絡先に代理人情報が自動入力される。
書き換えは可能。
・紙面申請:代理人連絡先に加えて申請担当者の所属や氏名、連絡先を記入
・電子申請:代理人か申請担当者のいずれか
 〃《エラー例》E00259:「営業所一覧表」「常勤役員等証明書」
それぞれ「使用人の一覧表」「常勤役員等の略歴書」が作成済みで無いとエラーが表示される。
申請書のトップに戻り、指定された書類を作成すればエラー解除される。
それらを先に作成しておくのも手。
 〃《エラー例》E00017:「常勤役員等の略歴書」「営業の沿革」
期間における「至」を空白にするとエラー。
沿革でも途中空白にするとエラー。
・紙面の場合は至の記述を省略できたが、電子申請では埋める必要あり。
・沿革での許可状況欄で「以後、更新」といった記述を使いたければ、直近の許可取得記載に追加して二行にするのも良し?
 〃《ワーニング例》W00057:「健康保険等の加入状況」
列[営業所の名称]で主たる営業所の名称が正確に記入されていてもワーニングになる。
ワーニングなのに右上の[戻る]ボタンでも戻れない。
ウィンドウまたはタブを閉じたうえJCIPのトップに入り直し、[申請・届出一覧]から再開すれば一応解決する。
 〃《システム上の問題》
突然、画面遷移エラーが発生し、入力継続できなくなる場合がある。
JCIPのトップに入り直し、[申請・届出一覧]から再開すれば一応解決する。
入力の際は下書きからのコピペこまめな保存が良いと思う。
 〃《添付書類の省略》
・役員の身分証明書:任意
・商業登記事項証明書:任意
・営業所の実態を確認する資料(内観・外観写真や建物登記事項証明書など):任意
・健康保険と厚生年金、雇用保険の加入状況証明:任意
・専任技術者の常勤証明(健康保険証等):不要らしい
・法人番号確認書類:電子申請では不要
任意のものを添付する分には全く問題無し。
身分証明書が任意になっていたのには少し驚いた。

変更有の場合など、例え任意でも実質必須のケースもあるだろうから、その点ご注意。
 〃《ファイル添付》
添付ファイルはアップロード後に保存すると、システム固有の番号を含んだ名前へと変更される。
結局変わるので、ファイル名を気にする必要は無し。
もちろん自分が区別できるよう整理しておく分には良いと思う。
役員等の変更法人代表者変更に伴うgBizID情報との齟齬・法人代表者が変わった場合は、新たな代表者でgBizIDを再取得のうえ旧ID情報を引継ぎする必要がある
・しかし登記完了後にgBizIDを取り直してから変更届出を行うとなると、おそらく時間的に厳しくなるはず
・許可官公庁次第だが、旧IDでの変更届出後に新ID再取得で問題ないと思う
でないと非常に不便になってしまう。
※代理申請の場合は、代表交代前に委任状を作成するのも手かと思うが、それでも申請者が旧代表者のままという実態との齟齬は生じる。
福島県は、新ID取得の必要あり。
代理人情報・連絡先の「所属」「FAX番号」は、申請や届出時に毎回記入する必要がある
「電話番号」にもハイフンを入れ直す必要あり
・委任状で「FAX番号」を入れたとしても連絡先には使いまわしされない
gBizIDから情報を引っ張ってくるので、仕方無いのかもしれない。
決算変更届出《エラー例》E00021、E00295:「工事経歴書」
PC・法面処理・鋼橋上部の金額入力しないと内訳や小計合計部分でエラーになる。
工事施工額が無ければ0で埋める。
 〃《エラー例》E00009:「直前3年の各事業年度における工事施工金額」
その他の建設工事の施工金額を入れないとエラー。
無ければ0で埋める。
 〃損益計算書は各項目の合計を入れないとエラー。
※貸借対照表は大丈夫っぽい。
金額が無くても合計に0を入れる。
 〃完成工事原価報告書が未作成またはNGだと、損益計算書もNGのままになる。両方とも完成させれば解消。
 〃【注意】注記表作成で、エクセル下書きからのセル値コピペ等でタブが入るとエラーになる。
※貸借対照表や損益計算書はセル値コピペで大丈夫っぽい。
文字列だけ選択してコピペするなど、余計なタブや改行が入らないようにする。
 〃【注意】工事経歴書
・業種タブは初期状態では「土木一式」になっている(白塗)
・取得業種がオレンジ塗になっているので見誤らないよう注意
※白塗が現在の選択業種。
・業種を誤った場合は入力フィールド全部削除
※業種1つなら書類クリアが早い
 〃【注意】工事経歴書その他あれこれ
・技術者氏名が2段あるのは2名書ける意味に過ぎないので、とりあえず上段に書けば良し
・施工金額については、完成工事基準の場合は下段(括弧無し)に入力
※上段(括弧あり)は工事進行基準の入力欄。
・[完成または完成予定年月]列では、年号プルダウンと[未成工事の場合はチェック]のチェック欄が近いので、年号選択時に誤ってチェックを付けないよう注意
許可新規<エラー>「使用人数」シート
・営業所一覧にある営業所以外の行を含めたまま保存するとエラー
・単にデフォルトで二行表示されているためなので、不要な行を削除
 〃<入力不具合>専任技術者証明書(新規・変更)シート
・[今後担当する建設工事の種類]のコードが選べない時がある
・とりあえず保存すれば多分直る
処理時間電子申請でも時間を要する場合がある・届出でも1~2週間かかる場合がある
※処理量の問題らしい。
・届出受理後に他の手続きが控えてなければ、送信した日が提出日となるので特に支障は無い

4.サポート内容と料金

(1)サポート:特になし

(2)料金  : 〃

5.ご参考HP

(1)公式HP

国交省/建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP:Japan Construction Industry electronic application Portal)

電子申請システム(JCIP)

建設業許可等電子申請システムの概要(令和4年10月時点)

操作マニュアル1.4版(R5/4更新)

別紙:「申請・届出書類ダウンロードファイル名一覧」「電子署名検証方法例」

6.更新履歴

・2023/02/27:ページ公開
・2023/04/20:操作マニュアル1.4版(R5/4更新)に合わせて、リンク等を修正
・2023/06/27:注意点追記
・2023/07/05: 〃
・2023/12/06: 〃
・2024/07/22:「3」追記