ふるさと納税

1.概要

(1)背景や概要

ふるさと納税とは寄附により特定の地方自治体へ納税ができ、所得に応じた上限額まで所得税と住民税の寄附金控除が受けられる仕組みです。

控除限度額は「所得税:総所得の40%」「住民税(基本):総所得の10%」「住民税(特例):住民税所得割額の20%」となり、限度額を超えた分は控除対象外となります。
詳細は、総務省の「ふるさと納税の仕組み」を読むと分かりやすいかと思います。

限度額以下であれば「ふるさと納税で支払った額 – 2,000円」が全額控除されますので、返礼品付を利用した場合は、その「返礼品 – 2,000円」分の金額がお得になる感じでしょうか。

※「支払額 – 2,000円」と「控除額」が相殺され、残り2,000円で返礼品を頂いたことになる。

(2)メリット・デメリット

①メリット

・好きな自治体を選んで納税できる
・控除上限に気を付けて返礼品ありのふるさと納税を行えば、実質的に「返礼品 – 2,000円」分がもらえたことになる

②デメリット(?)

・控除を受けるために確定申告(期限:翌年3/15)をする必要がある
※申し訳ございません。一定条件の方については「ふるさと納税ワンストップ特例制度」(期限:翌年1/10)を利用すれば確定申告不要です。
・居住地以外にふるさと納税した場合、居住地の自治体税収が少し減る?(笑)

2.手順

(1)好きなふるさと納税を選んで利用

(2-a)確定申告をしない場合:ふるさと納税ワンストップ特例の申請

・「確定申告の不要な給与所得者等」かつ「ふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内」ならば、ふるさと納税ワンストップ特例の申請(期限:翌年1/10)が出来る
・必要書類「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」「個人番号確認書類」「本人確認書類」を準備して、寄附自治体へ郵送
申請期限に間に合わない場合は、確定申告(期限:翌年3/15)が必要となるので注意
※寄附した翌年の申告が間に合わなくとも、寄附翌年から5年以内の申告は可能

(2-b)書面での確定申告の場合:寄附証明の保管

・利用毎に郵送される「寄附金の受領書」は大切に保管
・地方自治体単位で年間寄附額をまとめて証明したいときは、仲介を担う特定事業者から「寄附金控除に関する証明書」を発行してもらう

(2-c)e-Taxでの確定申告の場合:マイナンバーカード作成やマイナポータル連携設定

・マイナンバーカードを取得し、マイナポータル連携と取得したい証明書の選択をしておく
※郵送された「寄附金の受領書」も、万一の紙面提出に備え保管しておくのがベター。

・マイナンバーカードを作らずとも、税務署に対面でのID/PASS届出

(3)確定申告

確定申告については「ご自身で学ばれるか(※)」または「税理士や税務署へ相談されるか」になります。
ご自身で行う場合は、ふるさとチョイスの確定申告ガイドを参考にされると良いかと思います。

税理士の独占業務なので、無資格者による代行やサポートは違法行為になってしまいます。
友人や知人だと線引きは難しいので、記入手伝いは身内だけに留めておいた方が無難かもしれません。
不安ならば事前に税務署へ確認するのも良いと思います。

-確定申告の方法
方法は大きく分けて以下。
①[税務署で書類入手]+[手書き]    →[窓口提出]か[郵送]
②[ダウンロードし印刷]+[手書き]   → 〃
③[ネット入力]+[ダウンロードし印刷] → 〃
④[ネット入力]            →[ネット申請(e-Tax)]
※マイナンバーカード所有者またはID/PASS方式の届出者のみ

※③④については確定申告書等作成コーナーの案内に沿って行えばスムーズかと思います。
確定申告書等作成コーナーからの送信ではイメージデータの添付が出来ないので、送信後にe-Tax(WEB版)に入り追加添付するか、最初からe-Tax(WEB版)を使った方が良さそうです。

-ふるさと納税に係る確定申告

・書面で申告する場合は受領書または証明書を添付
※給与所得者ならば必要書類は「寄附金に係る受領証または証明書」「源泉徴収票」「本人確認書類」「還付金受取用の口座情報」。源泉徴収されていないものがあれば、それに係る書類も用意。
・e-Taxの場合は、マイナポータルを介して選択した証明書の電子データ(XML形式)取得と自動入力が使える。自動入力を使わない場合はスキャンデータを添付

3.注意点

・所得に応じた上限額に気を付けて利用
・お得さを求めるのであれば、還元率が高い返礼品を選ぶのが吉?
・確定申告を期限ギリギリで学ぼうとすると大変なので、早めに準備しておく

4.ご参考HP

-総務省/ふるさと納税のしくみ
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

-国税庁
・ふるさと納税に係る寄附金控除に関する証明書等について
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/koujyo/kifukin.htm
・マイナポータルと連携した所得税確定申告手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/mnp_junbi/kakutei.htm
・マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/list.htm
・国税庁動画チャンネル/マイナポータル連携について(概要・事前設定)
https://youtu.be/I2wynAy67JM

-確定申告関連
・確定申告書等作成コーナー
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top_web#bsctrl
・e-Taxソフト(WEB版)について
https://www.e-tax.nta.go.jp/e-taxsoftweb/e-taxsoftweb.htm
・ID・パスワード方式について
https://www.e-tax.nta.go.jp/kojin/idpw.htm
基本的にマイナンバーカード未取得者が確定申告するための暫定的な方式。利用するためには税務署にて対面での届出が必要。
マイナポータルを介した連携も出来ないので、カード使用の場合より利便性は低いと言えそうです。

-ふるさとチョイス
・ワンストップ特例制度
https://www.furusato-tax.jp/about/onestop#section-document-02
・ふるさと納税 確定申告ガイド
https://www.furusato-tax.jp/about/tax_return