1.概要
(1)背景や概要
-従来の紙面申請では
自動車購入や譲渡、住所変更、車検などの際は自動車登録や移転・変更等の申請が必要となるため、検査登録事務所や軽自動車協会に出向いて手続きを行う必要があります。
また登録前後における車庫証明も別途、警察署に出向いて行います。
-OSS(One Stop Serviceの略)では
上の申請部分と車庫証明、税・手数料納付をオンライン上で行うことが出来、書類作成や提出に係る手間や時間を大幅に節約することが出来ます。
車検証は郵送受領(レターパックプラス往復分必要)可能ですが、原本確認が必要な書類の提出やナンバープレートについては直接の受渡しが必要です。
車庫証明についてはステッカーの受取のみとなり、窓口受取の場合は一度の出頭、郵送(返信用のレターパックプラス同封厳守)を選んだ場合は出頭不要になります。
(2)要件など
・使えるサービスや対象地域が限られる
自動車 :「新車・中古車の新規」「移転・変更」「一時抹消」「永久抹消(還付有・無)」「移転一時抹消」「移転永久抹消(還付有・無)」「変更一時抹消」「継続検査」
軽自動車:「新車の新規」「継続検査」
・電子証明書、または実印+印鑑証明書が必要
※本人申請の場合は「マイナンバーカード」(個人)や「法人認証カード」(法人)の電子証明書。
代理申請の場合は「行政書士電子証明書」。
電子証明書を使わない場合は、実印押印した紙面委任状と印鑑証明書の窓口提出が必要。
・(カードの電子証明書を使う場合)カードリーダーまたはNFC機能付きのスマホが必要
・車庫証明を事前に紙面申請した場合でも、窓口への紙面提出を選択してのOSS申請可能(2023/10~)
・引っ越しに伴うOSS本人申請の場合は、ナンバープレート交換が次回車検まで延長可能
※電子車検証と車庫証明も郵送で完結するので、変更登録時に窓口出頭の必要が無くなる。
・電子車検証に切替済みでナンバープレート変更が伴わない登録の場合、OSSと記録等事務代行のみで完結する
※同運輸支局管轄地域での引っ越しや名義変更など。
「OSSでの本人または代理申請」+「記録等事務代行者(登録済みの整備事業者や行政書士)による車検証書き換え」となり、例えば本人と行政書士間の書類や車検証の受け渡しのみで済む。
・OSSが使えない場合がある
贈与での移転登録。同居している者同士での使用者変更(新たな車庫証明不要の場合)など。
・電子納付はペイジーによるネットバンキングかATM納付、または事前登録によるクレジットカード支払
※クレジットカード支払は車庫証明の支払いには使えない模様。
(3)メリットとデメリット
①メリット
・書類作成と提出の一部が電子化されるので、時間と手間の節約になる
・ネットなので24時間365日利用可能
・手数料も紙面提出より安い
・登録までの時間も短縮される可能性あり
・窓口での待ち時間も短いらしい
※年度末で紙面申請は2時間待ちのところ、30分以内で車検証とナンバープレート交換完了。
②デメリット
・完全に電子化される訳ではなく、窓口での原本提出や受取が必要な部分が存在する
・スマホやパソコン操作に慣れている人でないと厳しい
・個人の本人申請ではマイナンバーカードと読取り可能な機器が必要
・電子納付なのでインターネットバンキングやペイジー対応ATM、またクレジットカード等のキャッシュレス決済を利用する必要がある
・システムに色々癖がある(?)
※正直、一般人が直感的に使えるかと言うと少々疑問。
しかし癖はあるが超便利だとは思う。楽、早い、安い。
2.手順や必要書類
(1)手順と必要書類
①事前準備(登録自動車、軽自動車)
-PC環境の設定・確認(登録自動車、軽自動車)
・暗号化通信の確認
・アドオンやプラグインのインストール
・利用者クライアントソフトのインストールとカードリーダーでの確認
・(スマホでのカード読取りの場合)「マイナポータルAP」アプリのインストール
・(電子車検証を利用する場合)「車検証閲覧アプリ」のインストール
-必要書類等の準備・確認
・自賠責保険(共済)証明書の加入の確認
・電子車検証
・マイナンバーカードとパスワード(電子署名用)
・登録内容に係る情報(マイナンバーカードや電子車検証から得られるもの以外)
・手続きによって必要な書類(登録自動車、軽自動車[新規、車検])
②委任状が必要な場合の準備
・必要なケース:旧所有者がいる、所有者と使用者が別、代理人申請
・必要な操作:「受任者情報ファイル」「委任状ファイル」の作成
※紙の委任状の場合は受任者側で委任状ファイルを作成し、委任状原本と印鑑証明書は窓口提出。
-委任状の作成手順
委任状形式 | 手順 |
---|---|
電子証明書使用 | ①(受任者)受任者情報ファイルの作成 「電子車検証読み取りまたは車検証情報ファイルの読み込み」「電子証明書による電子署名」 ②(委任者)委任状ファイルの作成 「①の読み込み」「〃」「〃」 ③(受任者)申請 「①と②の読み込み」「〃」「〃」 ※それぞれのマイナンバーカード等での電子署名、車検証情報読み込みは毎回行うことになる。車検証情報は手動入力も可能と思われる。 |
紙面委任状使用 | ①(委任者)紙面の委任状作成 ②(受任者)受任者情報ファイル作成 「電子車検証読み取りまたは車検証情報ファイルの読み込み」「電子証明書による電子署名」 ③(受任者)委任状ファイル作成 「②の読み込み」「①の委任情報の転記」「〃」「〃」 ※紙面の場合は受任者側のみの操作となる。 |
※大体の場合、面前でのカードリーダー使用で「車検証情報」「受任者情報」「委任状」ファイル全て作成するだろうが、委任者がマイナンバーカード等の使用に慣れているならば以下のようにメール等での遠隔やり取りも可能だと思う。
①委任者→受任者:「車検証情報」添付
②受任者→委任者:「受任者情報」 〃
③委任者→受任者:「委任状」 〃
もっとも、その場合は本人申請した方が早いかもしれない。
-マニュアル
③申請ページから申請
④申請状況確認や補正、電子納付
OSSから届いたメールに受付番号とページURLが記載されているので、リンク先で受付番号とパスワード入力してログイン。
車庫証明については保管場所標章交付手数料を納付した時点で、郵送請求可能。
※[インターネットバンキング]か[ペイジー対応ATM]での支払い。
またはクレジットカード等のキャッシュレス決済(申請前の事前登録必要)。
⑤郵送請求
請求書類 | 手順 |
---|---|
(OSSで車庫証明を行った場合)車庫証明の郵送請求 | ・返信用はレターパックプラス使用 ・「返信用レターパックプラス」「保管場所標章郵送希望申請一覧」を入れて送付 |
(郵送を選んだ場合)車検証の郵送請求 | ・往復共にレターパックプラス使用 ・「レターパックプラス」に「返信用レターパックプラス」「旧車検証(コピー可)」を入れて該当の運輸支局等へ ・旧車検証のコピーを送った場合は、新車検証が届き次第で旧車検証原本を郵送 ※原本を送った場合は、新車検証が届くまで運行不可。 |
※レターパックの追跡については郵便・荷物の追跡から。
お問い合わせ番号での検索後のリンクをkeepなどメモアプリに控えておくと、確認し易い。
⑥交付物が受取可能になったら受取準備
交付可能な状態が分かりにくいので注意!
登録手数料納付が完了した時点で車検証交付待ちになるらしい。
・(登録自動車)受付番号控え又は申請状況の印刷等
・(軽自動車)2次元コードの印刷
・旧車検証
※ナンバープレート交換や(登録自動車)封印の方法なども事前確認推奨。
⑦検査登録事務所や軽自動車協会へ出頭して交付物を受取り
※ナンバープレート交換や(登録自動車)封印作業も行う。
-申請ページや手順などのリンク
申請ページ | 手順ページ | 必要書類など |
---|---|---|
新車新規登録 | -申請 ・本人申請(所有者と使用者:同じ、異なる) ・代理 〃 ( 〃 :同じ、異なる) -状況照会 -補正 -再申請 -取下げ -税・手数料の納付 | ・自動車の注文書 ・(希望ナンバー希望者のみ)希望番号予約済証 ・(旧自動車の保管場所を使う場合)旧自動車のナンバープレート番号と保管場所標章番号 ・(車検証情報を自動入力する場合)電子車検証または車検証情報取込みファイル ・保管場所証明申請の添付書類 |
中古車新規登録 | -申請 ・本人申請(所有者と使用者:同じ、異なる) ・代理 〃 ( 〃 :同じ、異なる) -状況照会 -補正 -取下げ -再申請 -税・手数料の納付 | |
移転登録 ※マニュアル:本人、代理 | -申請 ・本人申請(所有者と使用者:同じ、異なる) ・代理 〃 ( 〃 :同じ、異なる) -状況照会 -補正 -取下げ -再申請 -税・手数料の納付 | |
変更登録 ※マニュアル:本人、代理 | -申請 ・本人申請(所有者と使用者:同じ、異なる) ・代理 〃 ( 〃 :同じ、異なる) -状況照会 -補正 -取下げ -再申請 -税・手数料の納付 | |
一時抹消登録 | -申請 ・本人申請 ・代理 〃 -状況照会 -補正 -取下げ -再申請 -税・手数料の納付 | |
永久抹消登録(還付なし) | -申請 ・本人申請 ・代理 〃 -状況照会 -補正 -取下げ | |
永久抹消登録(還付あり) | -申請 ・本人申請 ・代理 〃 -状況照会 -補正 -取下げ | |
移転一時抹消登録 ※マニュアル:本人、代理 | -申請 ・本人申請(所有者と使用者:同じ、異なる) ・代理 〃 ( 〃 :同じ、異なる) -状況照会 -補正 -取下げ -再申請 -税・手数料の納付 | |
移転永久抹消登録(還付なし) | -申請 ・本人申請(所有者と使用者:同じ、異なる) ・代理 〃 ( 〃 :同じ、異なる) -状況照会 -補正 -取下げ -再申請 -税・手数料の納付 | |
移転永久抹消登録(還付あり) | -申請 ・本人申請(所有者と使用者:同じ、異なる) ・代理 〃 ( 〃 :同じ、異なる) -状況照会 -補正 -取下げ -再申請 -税・手数料の納付 | |
変更一時抹消登録 | -申請 ・本人申請(所有者と使用者:同じ、異なる) ・代理 〃 ( 〃 :同じ、異なる) -状況照会 -補正 -取下げ -再申請 -税・手数料の納付 | |
継続検査 | -申請(本人申請) -状況照会 -補正 -取下げ -再申請 -税・手数料の納付 | |
軽自動車/新車(本人、代理) | -PC環境設定(Edge、Chrome) -申請 -状況照会 -補正 -再申請 -税・手数料の納付 -二次元コード発行 | ・[完成検査終了証]と[譲渡証明書および自賠責保険(共済)証明書]が登録情報処理機関に登録済みであることの確認 ・軽自動車や保管場所に係る情報 ・(任意)所有者コード ・(予約者のみ)希望ナンバー ・車台番号 |
軽自動車/継続検査(本人) | -申請 -補正 ※[PC環境設定][状況照会][再申請][税・手数料の納付][二次元コード発行]手順については、「新規」と変わらない。 | ・車検証 ・軽自動車税種別割の滞納がないことを証する書面 ※軽自動車税(種別割)納税証明書など。 ・放置違反金等の納付等を証する書面 ・[保安基準適合証]と[自賠責保険(共済)証明書]が登録情報処理機関に登録済みであることの確認 |
(2)問い合わせ先
電話のみとなっており、メールやチャットでの問い合わせは不可。
・登録自動車OSSヘルプデスク
TEL:050-5540-2000
・軽自動車OSS専用ダイヤル
TEL:050-5540-0800
※どちらも年末年始を除く平日8:30~17:00。
・OSSでの車庫証明審査に係る問い合わせ
管轄警察署へ電話
※電話受付時間は各警察署による。
3.注意点
使用にあたりマニュアル熟読が前提なのでしょうが、分かりにくかったり注意が必要な点を以下に記します。
4.当事務所のサポート内容と料金
(1)サポート
・OSS申請代理やサポート
※基本的には電子申請や納付部分のみの手伝いとさせて頂き、窓口での添付書類提出やナンバープレート受取りはご本人に行って頂きます。
(2)料金
・OSS代理申請:8,000円~
※OSS上での車庫証明は別途2,000円頂きます。
・サポート :要相談
※難易度や労力によって料金は変わります。
記録等事務と一緒にご依頼頂ければ値引きを考えます。
5.ご参考HP
(1)手続関連
-自動車保有関係手続のワンストップサービス
・申請の流れ
・手続きによって必要な書類
・サービス対象地域
-軽自動車保有関係手続のワンストップサービス
・各種手順等
・手続きによって必要な書類[新規、車検]
・サービス対象手続・地域
-利用者IDの発行
・自動車
・軽自動車
※行政書士など大量申請でまとめ納付を利用する者向け。普通は使わない。
-福島県警/自動車保管場所の手続き
・保管場所標章郵送希望申請一覧
・記載例
※郵送先が申請者か代理人であれば「申請者・代理人と同じ」に○。
(2)その他
-行政書士法人井口事務所
※ここの事務所は自動車専門とのことで、非常に詳しい解説が載っています。
6.更新履歴
・2024/03/25:ページ公開
・2024/03/26:「4」の料金改定
・2024/03/28:「2」修正
・2024/03/30:「1」修正と追記