1.概要
ア.概要
福島第一原発事故に係る追加賠償のWEB請求が4/10(月)から開始しました。
以前請求された方は一部を除いてWEB請求可能。それ以外は書類での郵送申請となります。
請求書類は、補償相談室へ電話か相談窓口への訪問で入手できるようです。
※「新規請求者」はWEB請求不可。ネットが使えない方、世帯代表者が変更された場合や訴訟やADR申立をされた方等も紙面請求。
イ.要件
詳細は必ず公式HPをお読み下さい。
追加賠償に係る要件としては以下が挙げられるかと思います。
・事故時点や対象期間における生活の本拠
※(1)(2)区域と「①~⑧」区域の組み合わせ。
・賠償項目「[1]~[6]」
※項目によって該当区域や対象期間など条件が異なる。
また同じ賠償項目でも地域によって金額が変わる場合あり。
・当時の年齢や状態
子供や妊婦、出生、死去。心身の状態など。
-生活本拠の区域
・2011/4/22設定時
(1)警戒区域
(2)計画的避難区域
※下記①~③については「(1)-①~③」と「(2)-〃」の6通りとなる。
・2013/8/7設定時
①帰還困難区域、または大熊町もしくは双葉町の居住制限区域もしくは避難指示解除準備区域
②居住制限区域(大熊町を除く)
③避難指示解除準備区域(大熊町もしくは双葉町を除く)、楢葉町の緊急時避難準備区域
④特定避難勧奨地点
・南相馬市、川内村、伊達市の3つ
⑤緊急時避難準備区域(楢葉町を除く)
・福島第二原発からの距離が8~10km圏内か否かの2通り
⑥屋内退避区域または南相馬市の一部地域
⑦自主的避難等対象区域
・区域外への避難と、区域内での滞在の両方該当
⑧福島県県南または宮城県丸森町
※自主的避難等対象区域:福島市、二本松市、伊達市、本宮市、桑折町、国見町、川俣町、大玉村、郡山市、須賀川市、田村市、鏡石町、天栄村、石川町、玉川村、平田村、浅川町、古殿町、三春町、小野町、相馬市、新地町、いわき市における避難等対象区域を除く区域。
-賠償項目
下記金額から既に受けた賠償額を引いた差額が、追加賠償額となる。
賠償項目 | 区域 | 対象期間 | 金額 |
---|---|---|---|
[1]過酷避難状況による精神的損害 | 「1-①~③」「⑤」 | 事故から6ヵ月(2011/3/11~8/11?) | 30万 |
[2]避難費用、日常生活阻害慰謝料 | 「①」 | 2017/6~2018/3 | 最大100万(月額10万×10月) ※対象期間の出生者は出生月以降。死亡者は亡くなられるまで。 |
[3]生活基盤変容 | 「②③」「⑤」 | 無し | ②③:250万、⑤:50万 ※事故後の死亡者は全額。2017/3末までの出生者は出生月以降~2017/3まで月額3万。 |
[4]健康不安に基礎を置く精神的損害 | 「①~④」 | 2011/3~12 | 30万(子供および妊婦は60万) |
[5]自主的避難等に係る損害 ※子供および妊婦以外 | 「1-①~③」「⑤~⑦」「⑧」 | 2011/4/23~12/31 | ⑧は10万、他は20万 |
[6]精神的損害の増額事由 | 「①~⑥」 | ※条件が多いので渇愛。 東電公式HPの「精神的損害の増額事由【ADRセンターの総括基準を踏まえ中間指針第五次追補に示されたもの】」ご参照。 | ※条件が多いので渇愛。 |
2.手順
(1)WEB請求(※追加請求者のみ)
ワンタイムパスワード認証があるので、おそらくスマホを出しながらPCで入力するのが一番早いと思います。
入力項目はテキストエディア等に下書き保存したうえで、コピペすると良いでしょう。
スマホ操作に不慣れな方が躓きそうなのは「ワンタイムパスワード」入力と「テストメール受信確認」でしょうか。
必要なモノ:
・WEB使用可能端末(PCやスマホなど)、携帯電話または固定電話
・以前請求時の申し出番号または振込先口座番号
※請求有無がハッキリしない場合は、心当たりがありそうな通帳の「2012/4」「2013/1」あたりを探してみて、入金記録が見つかれば口座番号下5桁でネット請求ができるかもしれない。
・メールアドレス
①WEB請求から利用規約への同意
②基本情報入力とログイン
・「氏名(全角カタカナ、スペース無)」「電話番号(ハイフン無)」「生年月日」、「申し出番号(アルファベット+数字9桁)」または「口座番号(下5桁)」を入力し、SMSか電話での本人確認へ
・6桁のパスワードを控えておく
③郵送先住所
④メアド入力
・テストメール送信で無事届いたら次へ
※スマホのみの場合は、画面下[〇]で一度ホームに戻ってメーラーを開き、受信確認後にバックグラウンド[□や三]からWEBブラウザに戻る。
⑤内容確認
・世帯の氏名に変更があればチェック入して入力
・口座番号 〃
⑥最終確認と確定
・確定メールが届くが、請求番号の控えやスクリーンショットを残しておくのがベター
※複数人世帯の場合は世帯代表者への委任確認のため、あとで世帯構成員の委任書と本人確認書類の郵送提出が必要。
世帯に死亡者が居る場合は、相続と類似した手続きとなるので少々大変かと思われる。
===== 下書きメモ用 =====
・フリガナ:○○△△
・生年月日:○/○/○
・TEL:○○
・申し出番号または口座番号下5桁:○○
・ワンタイムパスワード(一時控え用):○○
・電子メールアドレス:○○@○○
====================
(2)書類請求
書類の詳細は不明な為、ここでは触れません。
①書類一式の取得
※補償相談室へ電話か相談窓口への訪問により入手。
②記入のうえ郵送
※未請求者には5月頃にダイレクトメールが届くらしいです。
ただし前回請求時からの変更があった場合などの記載があることから、一度も請求を行っていない方には届かないと思います。
(3)問い合わせ先や相談窓口
-問い合わせ先
東京電力 福島原子力補償相談室
TEL :0120-926-470
受付時間:平日9~19時、土日祝9~17時
-相談窓口
・相談窓口
・予約専用ダイヤル
TEL :0120-926-459
受付時間:9~17時/月~金(休祝日除く)
3.注意点
注意箇所 | 備考 |
---|---|
過去に一度も請求したことが無い方 | ・WEB請求不可 ・おそらくダイレクトメールも届かない ※前回以前に請求していても、世帯構成または送付先に変更があるのに東電に連絡していない方へは届かないようです。 |
請求したか曖昧な方 | 電話し続けて郵送請求でも良いですが、まずは書類保管や通帳記帳内容(「2012/4」「2013/1」あたり)を確認すると良いかもしれません。 もし書類の申し出番号や振込先の口座番号下5桁が得られてネット請求が使えれば、手間や時間が節約できます。 |
電話や相談窓口の混雑 | 開始後しばらく電話申込や相談窓口は混むと想定されるので、急ぎで無ければ日数を置いてから行うのが無難かと思います。 |
前回から電話番号が変更されたが事前連絡しなかった方 ※固定電話の解約や、携帯電話番号の変更など。 | おそらく郵送請求しか使えないので、電話し請求書郵送してもらうかダイレクトメール待ち。 |
別世帯者の委任状と本人確認書類について | 直接会う機会があれば、その場で記入や本人確認書類コピーした方が早いが、お互い時間が取りづらいならば以下の方法も取れそう。 1.代表者は、委任状の代表者欄や返信用レターパックの差出人欄を埋めておく 2.委任者から本人確認書類の画像をメール添付してもらい、代表者側で印刷し「委任状」「本人確認書類コピー」「返信用レターパック」を委任者へ送付 ※委任者がプリンター所持やコンビニ等で印刷できるならば不要。 スマホ撮影の際は反射やピンボケに注意。 3.受けとった委任者が委任者欄を埋めて投函 ※委任者→代表者への戻しも無くなるし、委任者の負担も減る。 |
ダイレクトメール送付は中止となり、代わりに簡易書留での請求書送付。 | ・請求書およびダイレクトメールの誤発送に関する原因と対策について ・請求書およびダイレクトメールの誤発送に関する原因と対策 ※住所変更受付後に、一括で行うはずのシステムでのデータ更新が一部抜けたため、変更前の住所に送ったケースがあったらしい。 変更の都度でのデータ更新と複数人での内容確認、送付前の最終確認、簡易書留での発送に切り替えたとのこと。 |
二人以上の世帯の請求ではWEB請求のみで完結しない | ・WEB請求後に委任書が届くことになる ・代表者と代表者以外全員の自署による委任書を作成し、本人確認書類(代表者除く)を添付して返送する必要がある ※前回請求時と同じ世帯構成だとしても、世帯構成員が1人の場合を除き紙面提出は必須となる。 もし不足があった場合は、不足分のみの委任書追加では無く書き直しを求められる。 遠方居住者が複数いる場合は、特に慎重に対応する必要がある。 |
世帯構成員が死亡している場合 | ・相続の際における銀行口座解約等と似た手続きになるが、生活本拠があった区域によって厳しさが異なる 「避難等対象区域」:相続手続とほぼ同等。被相続人と法定相続人の戸籍一式と同意書(法定相続人全員による署名と実印捺印)、印鑑証明書の添付も必要。 「自主的避難等対象区域」:被相続人の戸籍は死亡記載のある戸除籍謄本、法定相続人の戸籍については被相続人と代表者との関係が分かる部分のみで良い。同意書への実印押印も印鑑証明書の添付も不要。 ■ご参考 ・ご請求を行うために必要な相続関係書類について ※遺産分割協議書による手続きも認めてもらえる。その場合、相続人以外の同意書への署名捺印は不要になるのだろう。 遺言書の使用可否についての記載は無いが、おそらく可能だと思う。公正証書遺言や検認済みの自筆遺言ならば、相続人以外の同意書への署名捺印や印鑑証明書添付は不要になるかもしれない。 |
4.当事務所のサポート内容と料金
(1)サポート:WEB請求における入力補助
(2)料金 :500円
※どうしてもご自身で出来ない方に限ります。
5.ご参考HP
-東京電力
・中間指針第五次追補等を踏まえた追加賠償のご案内
※紙面請求用の相談専用ダイヤル:0120-926-470
受付時間:9~19時(祝日除く平日)、9~17時(土日祝)
・福島県内相談窓口のご案内
※いわき市は以下の三か所。
-各自治体
・いわき市
・福島市
・南相馬市
・郡山市
・二本松市
・川俣町
・田村市
・会津若松市
・広野町
6.更新履歴
・2023/04/11:ページ公開
・2023/05/15:ダイレクトメールに関する記載追記
・2023/05/16:下書きメモと振込履歴確認に関する記載の追記。注意点修正
・2023/05/22:注意点加筆
・2023/07/10: 〃
・2023/08/03: 〃
・2023/08/09:概要修正。